マンガ「四月は君の嘘」全11巻を読んだ感想


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 余韻がね、すごいんですよ。
 
 後味が悪いとかそういう訳じゃないけど、この物語の結末は深く悲しく感じます。
 
 主人公、有馬公生の悲しさや寂しさがツーンと鼻に来て、そして、彼が今後歩んでいく人生についてあれこれ想像をして……。
 心に残る物語です。


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物語

 
 かつてピアノのコンクールを総ナメしていた主人公、有馬公生は、母親の死をきっかけにピアノを弾けなくなっていた。
 しかしある春の日、有馬公生は破天荒なヴァイオリニスト、宮園かをりと出会い、再び音楽の世界へと引きずられていくことになる。

 彼女のわがままが、美しさが、そして困難に対する力強さが、再び公生をピアニストとして目覚めさせていく……。

アニメ版との比較

 私が初めて「四月は君の嘘」を知ったのはアニメからでした。
 当時はまだ珍しかった、マンガとアニメを同じような時期に最終回に持っていく……という手法を取った作品であり、アニメ版も素晴らしかったです。

 アニメとは物語上の違いはほとんどないと思います。
 アニメだから漫画と比べて多少詰め込まれている部分はありますが、ストーリーで大事な部分はどちらも両方共通して描かれています。
 漫画版は、マンガらしく1コマ分のちょっとしたリアクションや呟きなどが長所と言えるでしょうか。
 アニメ版は物語のテーマであるカラーや音の表現が良かったですね。

 漫画版を読んで感想を書き始めましたけど、マンガ版だけしか見たことのない人はぜひアニメ版も見てほしいと思いましたね。

 ただしどちらも芯にある物語は同じで、切なく、胸に突き刺さりますね。

感想

序盤:宮園かをりの魅力

 公生はヒロインに引っ張られてピアノを弾くことになるのですが、そのヒロインの強引さと裏に隠した必死な思い、そして変わらぬ力強さが非常に魅力的でした。
 特に公生の目を通してみる彼女はいつだって輝いていました。

 公生と一緒に舞台に立った時、諦めた公正を前に放った「アゲイン」の一言はもう忘れられる気がしません。

中盤:公生の成長

 
 主人公が挫折を乗り越え成長する……というのは今となっては少し埃をかぶってしまったものの、いつの時代も物語の王道です。
 ただしそこで感動できるかは王道の筋に沿っているかではなく、実際に主人公がどんな困難を経験し、どう乗り越えたかにかかっています。

「四月は君の嘘」はヴァイオリニストのヒロインと出会ったところから物語は始まりますが、全11巻のほとんどが有馬公生とピアノの物語です。
 母親の呪縛にとらわれ、何度も何度も苦汁をなめながら、しかしかをりとの日々の中で受け取った思いや支えてくれる人の存在に助けられ進んでいく公生はとてもカッコよかったです。
 何度も押しつぶされそうになるけど、それでも再び前を向く公生はやっぱりヒーローだなぁと感じますね。

終盤:悲しさと切なさと、そこにある大事な想い

 終盤、というか最終巻は心にずしッと響きます。

 母親の死から立ち上がれなかった公生を引っ張り上げてくれた宮園かをり。
 彼女との別れが公生を再びどん底まで突き落とすけど、支えてくれた皆の存在が、彼女との思い出が公正をピアニストとして突き動かしていく様子に、もう涙が止まりませんでした。
 
 特に最後の演奏の、その最後に「さよなら」って、もう悲しすぎるじゃないですか。
 母親との決別を踏襲しての描写なのでしょうが、恋した女の子に対してその一言の想いを告げる公生が悲しくて悲しくて仕方なかったです。

 でもあの演奏はすごかった。
 最終巻はすでに何度も読み返してしまいました。悲しいけど、引き込まれるんです。
 
 最終回だって、これからも公生はピアニストとして生きていくんだろうな、椿と仲良くやっていくんだろうな、という未来を感じさせる内容ではありましたが、同時にきっとこれから公生はかをりとの想い出を何度も振り返って悲しくなったり、さみしくなったり、でもその輝かしい思い出に勇気づけられながら進み続けるんだろうなと想像させられてしんみりしてしまいます。
 あとがきも、おまけページもなし。
 このきっちりした終わりが、より胸の内の木枯らしが吹くような思いを加速させますね。
 
 でもよかった。
 心に残る作品でした。漫画も良いし、またアニメも見たいなって思わされました。

おわりに

 電子書籍で全巻セットセールを行っていたので、この機会に仕入れたのが原作を読むきっかけとなったのですが、やはり四月は君の嘘という物語は心に響きますね。
 
 なんというか、この物語は綺麗で、一途な想いにあふれているんです。
 そこが良い。

「四月は君の嘘」は「四月は君の嘘」で完結した1つの良い物語でしたが、この新川直司さんという作者の今後……というか他の物語にも期待ですね。
 
 それでは。


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