校舎の天では悪魔が嗤っている(1) (ヤンマガKCスペシャル) 蜂屋あいet小山鹿梨子 講談社 2016-12-20
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去年の末に発売された「校舎の天では悪魔が嗤っている」を読んでみました。
表紙買い……というか、タイトル買いでしたね。
一応「校舎の裏には天使が埋められている」のストアでは続編って紹介されてたんですけど、直接的なつながりはよく分かりませんでした。というのも、校舎裏に関しては面白かったけど買う機会を逃して2巻までしか読んでいないからです。
あっちが少女マンガなのに対してこっちが男性向けなのも、色々とごっちゃごちゃ。どちらも過激な表現がありますが、男性向け作品は大抵エログロ方面に過激になっていく……という例に、根本から沿ってしまっている感じ。
面白かった点もありますが、個人的には続編は買わないかな? といったくらいの視点からの感想です。
ところで、楽天koboの全品20%還元が今月で終わりみたいですね。
電子書籍ストア比較の記事を書き直さなきゃなぁ……とか、考えてしまいます。楽天koboは全品ポイント20%だったから他よりも普段から安く買えたわけで、それが終わってしまったらbookwalkerで全部買った方が安くなる人もいるでしょうし……。
しかしタイミングギリギリでよかった。実はkoboの電子書籍リーダーをカートに入れるくらいまで、購入欲が高まっていたんですよね。本代が安く済むなら、読みごこちはリーダーの方で良くしよう……などと考えていたけど、これはKindle端末とかでbookwalkerアプリを使った方が……いや、もう電子書籍リーダーはしばらくいいか。
雑談が長くなりましたが、本題に戻ります。
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目次
過激なサスペンス
主人公の近野渡は、学費などを免除してもらえるという理由から、名門お嬢様学校にたった一人の男子として入学することになります。その学校は孤島に建っていて、世俗とは切り離されていました。
さらにその学校では、男子は汚らわしいものとして扱われ、渡は男子というだけで硫酸をかけられそうになったり性器を切り取られそうになる、という事態に襲われます。
それだけではなく、渡と親しくした女子もこの学校では罪深いものとして扱われてしまう。
そんな環境で唯一、渡と対等に接してくれたのが曽良地真理でした。
しかし彼女は渡と親しくしたことを生徒会に咎められ、天使のような姿をした生徒会長の手によって、学園のどこかに捕まえられてしまいます。
渡は真理を助けるために行動するのですが、生徒会がそれを見過ごすはずもなく……というような内容。
男性向け作品になり、登場人物の年齢層も上がったということもあって、結構エロ路線のストーリー展開や描写が目立ちました。良くも悪くもとても過激な作品だ、と感じます。
学園は世俗からは完全に切り離されていて、そこでは倫理や法律が普通の世界よりも弱い力でしか働いていません。硫酸をぶっかけようとか、男というだけで、渡をハサミで刺そうとしてしてくる人がいたり、とか。
雰囲気としては「この島には淫らで邪悪なモノが棲む」に近かったように感じます。こういうエロ入りサスペンス(とか言うとなんか「湯けむり~」とかそういう単語を連想してしまう)が好きな人にはオススメだと思います。
まあ、それを受け入れられるかですよね、問題は
まあこれまでの書き方から言って、個人的には合わない作品だった……というのは理解していただけると思います。
その理由はやはり「唐突すぎる」という部分が当てはまるのかと。
孤島のお嬢様学校に男子が一人だけ……という「このマンガのためだけに用意しました!」みたいな状況からすでに「……? なんで?」なのに、そこでは普通に人を殺そうとする人がいるし教師はどんなことがあっても生徒を止めないっていうルールもあるしで、あまりにも現実と違いすぎて置いてけぼり感を食らってしまうところはありました。
まあこの置いてけぼり感については、人によってどこまで付いていけるかに差がありますから(そもそもマンガは没入してみるものではない、としている人もいるし)、本当に、ただ単にこのマンガが私に合わなかっただけかもしれませんけどね。
ただ、山の中の探索に特化したスペシャリスト女子高校生たちがゾロゾロ現れた時には、「あれ、これはひょっとしてギャグなのかな……?」と本気で悩んでしまうくらいだったので、なかなかこのマンガも業が深い気がします。
また主観とは別に見たときには、表紙の天使のような、悪魔の生徒会長の出番が一巻ではあまりなく、その説明もほとんどなかったのでいまいち魅力に欠けるかもしれないというところでしょうか。
……ダメだ。さっきから不満しか言ってない。こうして人は嫌な大人になっていくんでしょうか。
申し訳程度に言っておくと、絵が綺麗で、過激なエロ描写ありというのが魅力的な点だと思われます。
……ただ、絵が綺麗なのはいいとして個人的にそういう描写はあんまり好きではないので、もう何から何まで私には合っていなかったとしか言い様のない作品でしたね。
まあ、トリニティセブンとかをまるで面白いと思えなかった人の意見なんで、まあそこまで重く見ないでください。
ということで、エロ入りサスペンスが好きな人にはオススメで、前作を面白かったと思う人にはもしかしたら楽しめないかもしれない。というのが一応の結論です。
……さて、そろそろ「校舎の裏には天使が埋められている」でも読みましょうかね。
校舎のうらには天使が埋められている(1) (講談社コミックス別冊フレンド) 小山 鹿梨子 講談社 2012-01-13
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