ふらいんぐうぃっち(1) (講談社コミックス) 石塚 千尋 講談社 2013-12-09
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以前アニメも視聴していたのですが、11月に5巻も発売されたということで4巻までをいったん読んでみることにしました。
ふらいんぐうぃっちは青森に魔女の修行に来た真琴と、その従兄弟である圭、圭の妹の千夏の3人を中心に、田舎の日常と魔女の魔法にまつわるゆるーいエピソードが描かれるお話です。
真琴の天然さや、圭、千夏のマイペースさ(というかほとんどの登場人物がマイペースすぎる)など、読んでいて心が和み、そして時にはクスリと笑わされてしまいます。
まあ、とりあえずの感想としてはだいたいアニメと一緒のないようかな、という感じ。4巻の前半辺りまでアニメ化されているエピソードなので、初めて見たネタに驚く……ということはなかったです。
けど、その1~3巻も十分楽しんで読むことができました。
アニメもそうでしたが、ふらいんぐうぃっちは1つ1つのネタを単体で取り上げて楽しむものではなく、全体としてのゆるーい雰囲気が面白い作品だと思います。原作マンガではアニメともまたひと味違った表現が見られましたし、読んで後悔は全くありませんでした。
けどやっぱり4巻のアニメ未収録のエピソードは特に楽しめましたね。
新しさ、大事。
アニメを見てからという視点での感想ですが、ちょっと語っていきたいと思います。
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目次
目の表現がゆるい
まず、アニメから原作に映った側として、第一に感じたのがこれでした。
アニメの絵は、個人的にはマンガよりも全体的に整っている印象を受けていました。それは大勢のアニメーターさんが描いて作り上げるものだからある程度特徴を押さえる必要がある他、やっぱり動きを表現する上で過度な表現は難しいからというのもあるでしょうね。
まあそんな整った方は整った方で良いとして、マンガではより激しい「マンガ的表現」を見ることができました。
目が面白いんですよね、何か面白いこと喋る時の目が。
この表現自体は第一巻で一番多く見られたんですが、急に目が濁ったり、猫目になったりとパリエーション豊かです。アニメは声の調子で笑いを誘いましたが、マンガではセリフと目のかみ合わせが笑いを誘いますね。
変わらない、和やかな空気
やっぱりこの作品の魅力である、田舎のどこか緩やかな空気感は読んでいて心地よかったです。
横浜から来た真琴も元の性格が天然気質なのもあって、完全に青森の空気に溶け込んでいてまさに自然そのものと言った感じ。寝る前とかにのんびり読んでいたら、幸せな気持ちのまま眠りに落ちてしまいそうな感覚がありますね。
でも数少ないツッコミ気質ななおの反応は、時にピリッと笑いのツボを押し込んだりするから飽きがこなくて良いです。
でもなおの登場しない回も、マイペースな人たち同士の気軽な掛け合いに思わずクスリと笑ってしまうんですけどね。ホットケーキ焼きマシーンってなんだよ、ってね。
刊行もマイペースってかスローペースだけど、外れのない一作
4巻の発売が2016年3月で、5巻は同年11月。これだと8ヶ月で、マンガにしてはまあまあ遅い程度ですが、3巻の発売は2015年の4月なんでやっぱりかなり遅い刊行ペースかも……。
そんな本作ですが、のんびりとした空気感を求めて何回でも売り返し読めてしまうためこれくらいのペースでも丁度良いのかもしれませんね。
とは言え新しい話はやっぱり読んでみたい。そう思わされる面白い作品だったため、そのうち5巻も読んでみたいです。今から6巻の心配をするのは気が早いでしょうが、次は2017年に出るんでしょうかね。
こちらものんびり追いかけていこうと思います。