「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」の感想


青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない (電撃文庫)

 青春ブタ野郎シリーズ第三巻の「ロジカルウィッチ」です。
 これまでずっと咲太の相談に乗ってくれた双葉の思春期症候群が起こってしまい、ドッペルゲンガー、もう一人の双葉が登場するというのは面白かったですね。
 二人の双葉はほぼ一緒だけど、二人に増えてしまったために片方はいつもと違う格好をしていたのもわくわくのシチュエーションでした。

 


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 しかしまあ双葉よりもまず先に、初恋の人と同じ名前の少女、牧之原翔子の登場が読者の心を揺さぶりますね。中学生の咲太を救ってくれた高校生、翔子さんではありますが、いやまあ、その翔子さんが中学生とはこれいかに。同姓同名の可能性はありますが、顔の雰囲気までほとんど一緒とはやはり思春期症候群の関連を思い浮かべてしまいます。
 翔子ちゃんの方は天真爛漫というべき翔子さんとは違って礼儀正しく、愛すべき妹分といったところです。咲太にはかえでという妹がいるにしても、翔子ちゃんの妹力は強いなぁ。

 物語の流れでもう一人の双葉と麻衣さんが咲太の家に泊まることになりましたが、家に遊びに来る翔子ちゃんも含めると梓川家には本当に女性ばかりが集まりますね。というか、双葉を麻衣さんの家に泊めるという考えはなかったのでしょうか……。
 しかしここでみんなが梓川家に集まったおかげで、これまでのメンバーが相互につながったのは面白いところ。そうでもなければ双葉と翔子ちゃんが出会う機会はなかったんじゃないでしょうか。

 
 これまで知らなかった双葉の隠し事はちょっと衝撃的ではありましたが、この出来事を通して咲太、双葉、佑真がいっそう通じ合えたのは間違いないでしょう。何も言わずに付き合ってくれる佑真はちょっと男前すぎると思いましたがね。
 1,2巻で頼りっぱなしだった双葉にも、やはり弱い点はあったのだと気づかされる一巻でした。


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