「ペーパーマリオカラースプラッシュ」感想。心底熱中するのとは違うが、じんわり面白く、飽きさせない作品

 まず、発売前から色々と12年くらい前のファンたちによる不満が爆発していたり、それにつられて私も不安になっていたりしたカラースプラッシュですが、実際に遊んでみるとそういう不安はどこへやら、吹き飛んでしまいました。
 そりゃあ確かにストーリー、世界観だけを切り取って(今作のメインシステムがキリトリだけに)あげつらえば、非常に凡庸というか、しらける部分の多い作品ではありますが、1本のゲームとして全体を評価すると、それも悪いものではないと思いました。

 ストーリーはこのゲームを進める上で必要だからあるのであって、開発者が見て欲しいのはステージの芸術性だったり、探索の面白さだったり、アクションのユニークさだったり、そういうゲーム性の部分なのでしょう。
 事実私は新しいステージが開ける度にそのステージに対して「どんな場所なんだろう」とワクワクして、ステージ攻略に取りかかることができました。
 多くのRPGが、ストーリーを見たいがためにゲームを進めていくのとは違い、このゲームではゲームそのものに対する興味から探索を進めていった感覚があります。
 
 もっともストーリーが魅力的な作品は、それはそれで私も大好きで、「ゼノブレイド」なんかはもう熱中してプレイしたりしたんですが、カラースプラッシュはカラースプラッシュで、「遊びたいときに遊んだら、いつでも楽しい世界が待っている」ような感覚でした。
 
 もちろん旧作は旧作で、スーパーペーパーマリオなんかの世界観は特に、終始シリアスな気持ちでゲームに挑むことができたのですが、またそれとは別物の楽しさでしたね。
 バトル部分なんかをとっても、ペーパーマリオRPGとかとは、はなから違います。

 各ステージを構成する謎解き、イベント、アクション、豊富なテキスト。
 ちょっと謎解きが微妙に不親切な所も多かったですが、それも含めてカラースプラッシュというゲームは私を飽きさせませんでした。
 総じて、楽しいゲームだったと思います。


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 ではここからは、各要素について少し。

目次

個性豊かなステージ

 なんと言ってもカラースプラッシュの面白い点はここ。

 前作よりも、ステージの特徴に縛りがなくなった分、ステージによって様々な景色を見ることができます。さらにWiiUの強化されたグラフィックにより、これまでのどのシリーズよりも色鮮やかなペーパーマリオを楽しむことができます。
 また、仲間がペンキーしかいないからと言って、起こるイベントが少ないかと思いきやそうではなく、ステージ中に登場するレスキュー隊員や敵キャラたちとの愉快なテキストを追っていくことが面白い。
 各ステージの目標はペンキスターを手に入れることですが、そこにたどり着くまでが一本調子でないため、最後まで飽きずにプレイすることができました。

 
 ステージによってはユニークな仕掛け、攻略方法が存在していて、その中でも際立っているのは「ホテル オーシャンブルー」などでしょう。
 心霊現象の謎を突き止めるためにホテルを駆け巡るのは面白かったですね。最初、幽霊に対してペンキを塗らなくてはいけないことになかなか気がつかず、結構詰まってしまったのもしっかり覚えています……。
 
 加えて、私個人としては「マッキーコロシアム」もかなり記憶に残るステージでした。
 最初にコロシアムに入って、止めどなく現れる敵と連戦した人も少なくないはず……!
 その後観客席に入れば良いことに気がついて、コロッセオ的なステージの隅を巡るのが楽しかったです。

システム

 今作のメインシステムは、キリトリとペンキ。

 キリトリに関しては、前作のペパライズを体験した後だと、その手間がかからない点が非常に嬉しい。
 前作、スーパーシールでは、ペパライズ(キリトリみたいなもの)を発動する度に画面の切り替えが行われて時間がかかってしまいました。ペパライズできる対象がなくても演出は必ず入る上に、迷った時は大抵ペパライズで道を切り開く必要があるため結構面倒でした。

 その点、今回はキリトリできる対象が存在しなければ画面の切り替えも行われませんし、非常に楽だったな……と。
 少なくとも、私はそのおかげで気軽にキリトリできる対象を探す楽しさを味わえた気がします。っていうか、ここはペパライズが面倒くさすぎただけか……。

 ペンキについてはまあ、そこまで印象深くもないような感じです。
 ホテル オーシャンブルーでの幽霊探し以外では驚くようなペンキの使い方もありませんでしたし、まあヴィジュアル面で、キノピオたちを殴ったらイベント中もしばらくそのままというのは面白かったですが、それくらいですね。

 
 モノシールについてはスーパーシールの分かりづらい攻略とは違って、その場面場面で使うモノシールは何となく想像できる上、イロドリタウン ミナト区で、ゴミ箱の中のキノピオから必要なシールを教えてもらえるので苦労はありませんでしたね。
 強いて言えばパ・プールていえんの「ふうせん」を初見で取り損ねていたことくらい。
 まあ、モノの登場がそんなに面白いかと言われたらそうでもないんですけど。(個人的には)

バトル

 前作でそこまで強いとは思えなかったハンマーの技が、非常に強い気がするのは気のせいでしょうか。
 ただ、ポイなげハンマーだけ弱すぎる気がするのは気のせいじゃないはず……。明らかにダメージ量少ないし。

 カードを持てる枚数が前作のシールに比べて大幅に増えていたことは良い点だと思いますが、正直無限に(は言い過ぎでも、999枚くらい)持てても良かったんじゃないかと思ってしまいます。
 このゲームではそんなにバトルで苦戦することもありませんし(ボスも特定のカードを持っていればほぼ勝てる)、カードを持ちすぎたときにわざわざ入れ替えしたりするのも面倒かな、と。
 別に、そこまで気になったわけじゃないですけど。

 むしろ気になったのはコインのインフレ(市場(ショップ)には影響していない)。
 マリオはジャンケン神殿でコインを一気に1000枚以上手に入れることができるため、コインに苦労することがまずないです。
 しかしショップで強いカード(デカハンマー)を買うためのコインはそこまで高くありません。
 デカハンマーとかを大量に仕入れていれば、ボスのバトルも一瞬で終わってしまいます。
 悪いことではないですが、だからこそ余計に200枚制限をする必要もない気がします。

最後に

 ペーパーマリオ カラースプラッシュ。
 所々不満も出ましたが、総じて楽しく遊ぶことができました。

 これまで4年ごとに発売されてきたペーパーマリオシリーズですから、次に発売されるとしたら2020年になることでしょう。なんだか想像もつかないですが、発売機種は来年発売されるニンテンドースイッチかもしれませんね。
 まあ、今作で打ち切りじゃなければ。ですけど。

 それでは。


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