君が死ぬ夏に(4) (講談社コミックス) 大柴 健 講談社 2017-05-09
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「君が死ぬ夏に」の4巻が発売されたということで読んでみました。楽しみにしていたシリーズなので、電子書籍で読めるようになった日の深夜から読みふけってしまいましたけど、後悔はまるでありませんでした。それくらに今回も面白かったです。
読んだことがない人向けにこの作品の魅力を紹介するとしたら、やはり主人公のかっこよさとヒロインとの関係性、徐々に明らかになっていく真実に対するドキドキなどですね。
中でもヒロインの谷川さんのためなら驚くような行動も実行に移せる思い切りの良い主人公が、個人的には注目のポイントですね。このマンガの引き立て役です。
さて、4巻の感想に映りましょう。
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目次
明かされていく真実と、さらに深まる謎
4巻では前巻の引きである「谷川さんを助けると、幽霊の沙希ちゃんは消えてしまうのか」ということに焦点を当てた小編のストーリーから始まりますが、こちらの方は案外さらっと解決したような印象。
現代の谷川さんも沙希ちゃんも、山野くんを思う気持ちは一緒な訳で、その辺りに気が付いたのが沙希ちゃんの踏ん切りを付けさせた理由の一つなのかなー、と思ったり。
と、この小編における堀さん弟を発見したところから始まり、4巻でも事件に関する新情報が多数出てきました。
特に「ふくめん」の正体が分かったところはかなり大きな進展でしたね。しかしふくめんに接触するに当たって、また不安な5巻への引きがなされると、早く次の巻が読みたくなってしまうものです。
ただ、2巻での笹倉殺害がふくめんの手によるものかどうかというのは怪しいもので(読者側からすると堀さんっぽく見える)、ふくめんと接触した今の段階で本当に大きな危険があるのかというのは分かりづらいものですね。
山野くん視点ではやはりふくめんは非常に恐ろしさが膨れ上がっているような存在なのでしょうから、5巻でどうなるかは見物ですけど。
そして4巻のもう一つ重要なこととして「幽霊と現代の谷川さんが交流する」という点が大きかったですね。
山野くんに内緒でやり取りする二人が今後どのように物語に絡んでくるのか、たのしみなところです。
しかし一方で、4巻ではまた謎が増えてきてもいます。
堀さんと沖浦の隠された関係性だったり、西田さんの遺書についての不明点という、この2つが4巻で増えた大きな謎ですね。
堀さんと沖浦と関係性は、2巻ではまったくそれらしい言動が見受けられなかったので、新たな時間軸に入ってからできた関係性だと個人的には踏んでいます。……が、弟が「いつものあの人」と呼んでいるところを見ると、その「いつもの」というのが「最近よく来る」という意味なのか「昔からよく来る」という人なのか、ちょっと分かりづらいですね。名前を間違えるとかでもなく、まったく覚えていないという点は、最近知り合ったという説を強めている気はするんですけどね。
予告を見る限り、5巻で沖浦もストーリーに絡んでくる様子なので、気になるところです。
……私は沖浦は良い子だって信じてますからね!
西田さんの遺書については山野くんが言っていたように現時点では分からないことだらけな気がします。
PCに入っていたデータのタイトルである「いとしのきみへ」というのが山野くんには引っかかっているようですが、3巻までを見直してみても私にはさっぱりでした。古井由吉の本のタイトルとか、そんな感じなのかな-? と、ぐらいにしか考えられませんね。
何にせよ、文章を文字にして書かなければいけないような状況というのもなかなか思いつかないものです。「ふくめん」が演劇部の顧問ということで、彼に何か頼まれて小道具としての遺書を書かされた……とか、とりあえずそんな予想だけ持って5巻に進みたいですね。
谷川さんが死ぬというXデーまであと一週間を切ってしまったということで、物語もジリジリと佳境へ向かって行っている感じですね。あと3、4巻くらいで終わるのかな、と思っていますが、どんなラストが待っているのか楽しみなところです。
しかし5巻で沖浦が豹変したりしたらどうしよう……とか思っちゃったり何だったり。