「彼女、お借りします」1巻の感想

 今回はマガジン系列の作品、「彼女、お借りします」を読んでの感想を書いていきます。

 表紙の絵がシンプルながら綺麗にヒロインを描いていて、表紙買いに近い形での購入となりました。
 表紙だけじゃなくて、中身の方の絵も十分綺麗に描かれていて、絵柄は非常に好みですね。そこについては満足。


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目次

感想

まだあまり例のない、偽の恋人関係モノ

 
 いわゆるニセコイに代表されるような、親しくもない男女がとある事情により恋人関係を装うことになってしまう類の作品。
 絵というか、髪の毛のべた塗り表現とかがニセコイに近いのもあって余計に作品的な近しさを感じるのかもしれません。
 
 この手のテーマは物語においては王道の設定ですが、具体的な理由、事情が現代的で興味をそそられました。
 というのも、ヒロインと主人公が「レンタル彼女」と呼ばれる現実にもあるシステムを通じて出会うことになるからです。
 これは、お金を払って一定の時間異性とのデートを楽しむという商売ですね。以前ニュースで見かけたことがあり、その存在は知っていました。

 
 主人公の和也は彼女と別れたショックから色々暴走し、レンタル彼女としてヒロインの千鶴をレンタルします。
 何やかんやあって和也の祖母に千鶴を紹介してしまったり、二人が私生活において実はいくつもの共通点を持っていたことからその後も和也と千鶴の関係が続いて行くのですが……というお話。
 
 続きが気になってハラハラする……ということはないのですが、毎度「うえっ」ってなったり、胃が痛くなりそうなストーリーの連続でまあ、ある意味楽しめましたね。
 

主人公が家族想いの良い奴かと思いきや普通にゲス野郎

 主人公はこのマンガの闇というか何というか、改めて考えれば普通にゲス野郎過ぎる人物です。
 第一話ではレンタル彼女という仕事をしている千鶴に対して、「レンタル彼女とか虚しくならない?」とか聞いたり、周りの人にも聞こえるような声で千鶴のレンタル彼女という仕事を否定したりともうサイアク過ぎます。
 読んでるだけで顔をしかめたくなるくらいの行動に、胃が痛くなるような想いでした。

 さらにそこから和也の祖母が倒れたという連絡を受けて二人一緒にお見舞いに向かうのですが、そこで千鶴のことを彼女として紹介したり……というのはまあ、まだ千鶴も仕事として割り切っているので問題ないのですが、そこからもズルズルズルズルその嘘を引き延ばしてしまったりという部分に情けなさがにじみ出ます。
 まあ、おばあちゃん想いなのは良いことですけどね。
 
 それから、普通こういう関係は街で会ってもお互い知らん振りするものでしょうが、「あっ」とか言って騒いだり(これは千鶴嬢も悪いが)、弱みにつけいるように何度もレンタル彼女を頼んだりと……うん、ゲス。
 
 加えてそこまで千鶴の情に甘えているというのに、友達に対して千鶴を彼女と紹介して、友人に対してマウンティング+千鶴にすんごい迷惑をかけたりと、なんというか、猛烈に共感性羞恥心を刺激されます。
 更に更に…………と、1巻だけでも相当こういうシーンがありました。
 
 
 こういう主人公に一定の需要があるのは分かりますが、私はちょっと見てられない。

 主人公の元カノもそこそこ悪い性格してるし、このマンガの良心はもはやヒロインの千鶴さんだけですよ。
 他がアレだからいっそうヒロインの輝きが増して見えます。

おわりに

 
 毎度、悶絶するようなストーリーをある意味楽しめはしたのですが、主人公の言動は好みに合いませんでした。
 絵柄は好きで、ヒロインは可愛いので魅力的な面もあるのですが、2巻以降買うかどうかはまだ未定ですね。たぶん買わない……かな。
 
 ゲス系主人公や悶絶系シナリオに耐性、興味がある方はぜひ読んでみてください。
 それでは。
 


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