アニメ「サクラダリセット」全24話の感想。とにかく素敵な作品でした


 
 まずは言われてもらいます。
 アニメスタッフの皆さん、全24話お疲れ様でした。
 
 
 良い作品でしたね。
 もちろん原作であるサクラダリセットのストーリーは、すでに何度も読み返すほど私の感性に訴えかけてくる力を持っていたのですけど。
 しかしアニメもその良いストーリーを損なわず映像化していて、正直20話以降何度も泣きそうになりましたとも!
 というか能力の消えたサクラダをリセットする回では、何度も小説で読んでいるはずなのに1話で2回も泣きましたから!

 あのお話は映像化の恩恵、特に声が付いたことによる恩恵を強く受けているお話に感じました。
 
 もう原作を知っているアニメで泣いたのなんて初めてですよ、もうすごかった。
 と言うか原作が好きだという感想を持った上で視聴したアニメのうち、面白いと思ったのがこれまで涼宮ハルヒの憂鬱くらいなもんだったんで、サクラダリセットのアニメは本当にすごかった。
 すごいしか言ってないな、すごい。


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目次

全体を振り返って

客観的な人気

 私はニコニコ動画で見ていたんですけど、再生回数の方は終始伸び悩んでいたのがちょっと残念でしたかね。
 まあ私が興味を持つのはあくまで作品の面白さであって再生回数はあんまり気にしないので構わないんですが。

 ただ、多くの人が名作に触れる機会を逃している……というのはちょっと残念なことかな、と。

序盤の構成


 
 少し勿体ないと思ったのは、原作3巻の内容をアニメの第1話に持ってきたことではないでしょうか。
 個人的に3巻の内容は6,7巻に次いで好きな内容なのですが、それはあくまで1,2巻でのケイやハルキの姿を知っているからだと思います。
 原作としても第1巻の内容は他の巻に比べてだいぶキャッチーな内容に仕上がっていると感じていたので、時系列順にアニメを放送するのは原作視聴済みの私としては物語を違う視点から見られて面白いのですが、初めてサクラダリセットを見る人には取っつきづらく映ったのではないかと思いました。
 
 また個人的に3巻はストーリーよりも相麻との哲学的な会話だったりケイの内面であったり、アニメにあまり描写されなかった部分が好きだったので、それも含めて勿体ないな、と。
 
 ただ先生はアニメでも格好良かったですね。
 くたびれた感じの声でありながら、でも内に熱い優しさを秘めているのが良い……。

 
 
 その後、個人的に好きなビー玉回なんかもきちんとアニメ化されていたのが嬉しかったです。
 猫は宇宙に行きませんでしたけどね。

声優

 しかしまあ、ケイとハルキの声は最初に聴いた時から二人のキャラクターにマッチしていると感じましたし、相麻に悠木碧を割り振るのは最初どうかと思っていましたが、そこもすでに実力が付いてきている声優だけあって違和感なく視聴できました。
 もう一人重要なキャラクターと言えば浦地さんですが、彼もまた知性を感じられる男性の声で良いキャスティングだと感じました。
 アニメにおいては特に主要人物3人と浦地さんにスポットを当てて描かれていたように感じたので、そこで違和感を覚えることなく聴けたのは高評価ですね。
 
 ケイがお母さんに会うシーンハルキの前で涙するシーンの二つでもう涙を抑えられなかったのですが、ここはケイの声優さん(声優って、声優個人を詳しく知らない方がアニメを楽しめると思うの)の力あってのものだったと思います。
 ケイがお母さんに会うシーンは原作を読み返すといつも泣いてしまうのですが、ハルキの目で涙するシーンではそんなに泣いた記憶がないのでケイの涙する姿を映像として改めて見せられたからでしょうね。そこはやはり声優さんの力なのかと。
 
 しかし私はあくまで原作をすでに読んでいて、ケイがお母さんという大切なものを切り捨ててまでサクラダを選んだその罪の大きさを十分に共感していたので涙が止まらない訳なんですが、アニメだけを見た場合ってどうなのかなぁって思ったりなんだったり。
 いや、でも、うん。
 声優の話からは完全に逸れてるけど、あのシーンは良かった。
 本当に良かった。
 アニメになって良かったと思うシーンの1つですね。

アニメーション

 サクラダリセットは異能力が存在する作品とはいえ、バトルもほとんどは話し合いで解決し、戦闘なんてほぼ起こらないので正直アニメーションは無難な感じでした。
 能力のあるサクラダに戻ってきてからのケイの顔が多少変な感じになっていた気がしますが、そこを除けば十分全編安定していたと言えるでしょう。

 かといって見せ場がなかったわけでもなく、ミチルの夢世界、ケイと浦地さんのカラオケ大脱出、自転車でGO!などのシーンは迫力があって印象に残りましたね。
 
 
 個人的にサクラダリセットのアニメは、BGMも大きな魅力だと思ってます。
 次回予告で流れるピアノが一番印象に残っているんですが、それ以外にも派手さはないけど緊張感のある曲が多いんですよね。
 この点はものすごく高評価で、要所要所の空気を遮らずに緊張感を増す演出には脱帽ものです。
 
 まあ前期のエンディングテーマだけはサクラダリセットっぽくなくて、あんまり好きになれないんですけどね。

坂上さんの活躍は原作を!


 
 いや、原作でも活躍ってほど活躍してるわけじゃないですが、アニメでちょっと物足りないなぁって感じたのは坂上さん関連の会話の多くがカットされていることですね。
 個人的には、坂上さんって結構好きなキャラです。
 もちろん3巻時点ではケイやハルキをちょっと邪険にしてるし好感を持てる訳ではないんですが、それもまた中学生らしい心の機微な訳で……。

 7巻では少し大人になった彼がケイに協力するわけですが、相麻のために行動する勇気を変わらず持ちながらも、中学の時より少しだけ広い視野も持っていて……。
 そんな成長した姿がなんとも良い味を出していたと思うんですよね。
 
 
 ただまあ、尺の関係でアニメ版ではカットされていたのがちょっと残念。
 もっとも別にカットが不自然とかそういう意味じゃないんでアニメのマイナス点ではないんですが、あくまで原作を読んだ上での感想ですね。
 
 気になった人はぜひ原作も読んで欲しい。
 坂上さんとの会話も、カットされるのが勿体ないくらい良いシーンでしたから。

終わりに

 
 正直サクラダリセットってストーリーの完成度がものすごく高いんですよね。
 だからアニメもこれだけ面白く見られたのかなぁと思います。

 もう何年も前に終わった作品だし、2クールやるだけに見合った宣伝効果があるのかも分からないですが、個人的にはちゃんと時間とお金をかけてしっかりサクラダリセットをアニメ化してくれて本当に嬉しかったです。
 これも河野裕さんの「いなくなれ、群青」がヒットしたおかげですね、たぶん。

 今後もサクラダリセットは私の中で「価値観に大きな影響を与えた作品ランク上位」として長く記憶に残っていくのだと思いますが、しばらくしたらまた読み返してみたりして、長く長く大切にしていきたいです。
 ……いやホントに、正直面白さだけで言ったらサクラダリセットは私の中では1位と言っても良いくらいですからね。いやホントに。そこにいろいろ思い出補正とかキャラ愛とかいろいろが加わってランキングが上下しているだけで……。
 
 
 あー! 
 良かった!
 面白かった!

 でも寂しい寂しい寂しい!!!!!
 
 サクラダリセットの終わりを改めて実感させられた上に、今後しばらくこんなに熱中できる作品にはなかなか出会えないでしょうからね。
 あー、あー、寂しい……、
 
 うんうん、よしよし。
 まあ気を取り直していきましょう。

 あ。
 あと、もうちょっと言いたいことをTwitterで先に漏らしてしまったのを忘れていました。 


 
 
 なんか記事を書き終えるとサクラダリセットに関して一区切り付いちゃう気がして、さっきから記事を結ぶのに抵抗を感じているんですけど、そろそろ終わりにしますね。
 
 面白かったです。
 とても、面白かった。

 はい、それでは。


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