だからお兄ちゃんと呼ぶなって!2 (ファミ通文庫) 桐山 なると KADOKAWA 2017-03-30
|
一巻の感想
だからお兄ちゃんと呼ぶなって! の第二巻が発売されたので読んでみました。
前巻のところどころに漂う疑念と、ラストの謎めいた引きが気になって続巻を購入したのですが、実際に二巻を読んでみると、面白いは面白かったのですが、前巻の引きから考えると少しコレじゃない感があったのですよね。
そんな中で、私はお気に入りのサイトでこの本の感想を目にしました。
だからお兄ちゃんと呼ぶなって(この世の全てはこともなし)
……あー、すごく分かります。ってな感じのことが書かれていました。
スポンサードリンク
目次
もっと超常的な何かを求めていた
前巻のお話の中では、所々不穏な空気が流れていました。
例えばお話の合間に挟まる素モモダイアリー。これは記憶を失う前の主人公が妹の可愛らしさを(いっそ変態的に)つづった日記でしたが、「時々モモの言葉が分からなくなるが、天使のようなモモの言葉は人間にはわからないのだろうか。モモの目には俺には見えないものが見えているのかも……」というようなことが書かれていました。
ここで私としては、なんだかまるでモモは人間じゃないみたいなイメージが浮かんでしまいました。
そして記憶を失う前の主人公が残した「モモは信じるな」というメッセージ。
えっ!? 主人公はモモのことが大好きだったんじゃないの!? これは一体……!?
と、これを読んだ時は一体この先の展開がどうなっていくのか、モモはただの妹ではなかったのか、2巻の発売が楽しみでした。
ただ実際に発売された2巻を読んでみると、内容はもちろんドラマティックではありますが、現実的な範囲で話がまとまってしまったことに多少の失望感を覚えたのは否めませんでした。面白かったけど、こう、期待していたベクトルの面白さじゃなかったというか。
あけすけに言うなら、私はこの作品に野崎まどっぽさを求めてしまっていたのだと思います。
徐々に徐々に飲み込まれていくようなスリルを、求めてしまっていたのだと思います。
ただ元々、タイトルやレーベルカラー、1巻の冒頭の様子などから、私が期待してしまったような展開は起こりえないものだったのかもしれません。2巻で物語を畳むとなったからこその、この終わりなのかもしれませんが、元からこのような形で話を締める予定だったのかもしれません。
話の展開、文章自体はかなり楽しく読めたので、別に評価自体は悪くないんですけどね。
それでは。