Cevioさとうささら。
合成音声ソフトとしては結月ゆかりを始めとするボイスロイド勢に知名度では劣るものの、Cevioの顔として合成音声ソフト二番手としての地位を守っている女の子です。
使用者目線ではボイスロイドより値段が安いとかそういう面もあって、ボイスロイドより魅力的に感じる部分もありました。あと、昔はボイスロイド動画の広告にライセンスが必要だったりもしたので、当時としてはかなりゆるーい雰囲気で使えたのも大きかったでしょう。
一般層への訴求力を考えたら知名度のあるボイスロイドの方が好まれやすいとはいえ、さとうささらも合成音声界隈では昔から親しまれてきたキャラクターです。
そして、ソング音声としては(調整によっては)非常に人間に近い声を出せるということにも(狭い界隈で)注目が集まりました。
それこそ上の動画は2013年のものであり、オーパーツなんてコメントがつくほど、当時としては目新しい存在だったことが垣間見えます。ボカロの中に突如現れたのだから、まあビックリしますよね。
ただまあ人間らしい調声は難しい上、別に多くの人は合成音声に人間らしい歌声を求めていた訳でもないため、界隈での盛り上がりこそあったもののそれが一般層まで波及することはなかったようです。
人間らしい歌声が、ようやく一般(オタク)層にも知られるようになったきっかけはAIきりたんの登場でしょう。
あれはきりたんというキャラクターの強さ、AIがある程度自動で調声してくれるという点なども含めて一般層にも興味深く受け取られたのだと思います。
そして8月5日、さとうささらのCevioAI版が発売されました。
その感想を少しだけ。
私は自分で購入した訳ではなく動画を見ただけです。
そしてトークこそ無印Cevio三人衆を使うものの、ソングについては持ってないし作曲関連はしないので使用者目線のことは話せません。
だからこれは、さとうささらの新しい声を聴いての個人的な感想です。
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目次
ソングボイスについて
正直、素晴らしい出来だな、と感じました。
制作側としての調声のしやすさなど、詳しいことまでは分かりませんが、出来上がった音声としては感動するレベルのものです。
昨日から何度も聴いてはその度、胸にわき上がるポジティブな情動に震えています。
何が素晴らしいかと問われれば、やはりさとうささらがさとうささらのまま、AIにより人間らしい歌声を出せるようになったことと答えるでしょう。
同じCevioAIでも、結月ゆかり麗は元の歌声が初音ミクなどに近かったためAI化に際してかなり声の性質が変わってしまったように感じました。
一方さとうささらは元々の音源がよくできていたこともあってか、それほど声の印象が変わらないままに歌唱力が増したように感じました。
声が変わらないからといって新鮮みがない訳ではなく、特に無印ではぎこちなかった早口での滑舌だったり、あとは高音の機械っぽいキンキン感が改善されていて人間らしい歌声になっています。
今まで応援してきたさとうささらが成長した姿。そんな印象ですね。
正直、歌声の人間っぽさ、歌唱力ではCevioAIさとうささらを聴いたあとでもまだsakiAIの方が優れているように感じます。
技術的な面ではsakiAIの時に受けた衝撃を超えていません。
それでもCevioAIさとうささらに感動するのはきっと、さとうささらだからでしょうね。
今まで聴いてきたさとうささらの面影をそのままにCevioAIとして完成させてくれて本当に嬉しく思います。
トークボイスについて
さっきから紹介動画がニコニコしかない……。
あんまりYouTubeの検索に慣れていないのもありますが、やっぱり合成音声系の動画はニコニコ動画じゃないと見つかりませんね。
トーク版のCevioAIさとうささらの声も聴きましたが、やはりちょっと無印のさとうささらとは毛色が違うように感じました。
可愛いのは可愛いけど、Cevioのさとうささらに置き換わる存在ではなく、また別の音声として利用されていきそうな声です。
まあ実際のところ購入者がAI版と無印版のさとうささらを併用するかは分かりませんが。
一番上の動画は恐らく調声に気を遣って可愛いボイスを人間っぽく喋らせていますが、ある程度ベタ打ちに近い下の2つは特に、同じCevioAIの小春六花に近い発話の特性があるのも気になる点ですね。
トーク版の無印さとうささらはボイスロイドと比べても人間っぽい声色とは言えなかったため、そのままAIボイスにはできなかったんでしょうが、ソング版の「成長」具合と比べると「変化」感がどうしても拭えません。
と、こんな風にソング版のCevioAIさとうささらと比べると手放しでは喜びにくい部分もあります。
最近のAIソング音声の人間っぽさと比べると、トーク音声にはまだまだ人間っぽさも足りませんしね。
ただそんなCevioAIのトーク音声の中でもさとうささらはかなり自然な声をしているといるのは魅力的な点です。
かなり艶のある声をしているのも理由でしょうが、小春六花よりも声色としては人間っぽさを感じます。
さとうささらはCevioの看板娘だけあって出来は良さそうですね。
一番上の動画は吐息成分多めで完全にさとうささらっぽさとは乖離していますが、ボイスロイドにおけるEXボイス並のクオリティを感じます。
トーク音声には人間っぽさが足りないと言いましたが、短いセリフならCevioAIさとうささらならかなり頑張ってくれるようです。
最初こそ声質の変化に違和感を覚えましたが、何度も聴いているとソフトとしての優秀さについては感じ取ることができたため、今後使用者も増えていくでしょうね。
そのとき無印版さとうささらの使用者が減るのかどうかはちょっと気になるところです。
なんかAI版買ったら流石にAI版使いたくなる気はするんで、どうなるんでしょうか。AI版購入者で最終的に無印に戻ってくるとなると相当な物好きって感じでしょうね。
そもそも購入者っていうのはサンプル音声でかなり声質が違うのを知った上で買ったそうな訳ですし。
おわりに
CeVIO AI さとうささら(Vector)
CevioAIさとうささら(DLsite)
CeVIO AIさとうささらのトーク音声、ソング音声についての感想でした。
トーク版のサンプル音声が出たときは、最初はささらっぽさを感じたものの元気100を聴いた時点で六花ちゃんの面影が浮かんで来て、どうなんだろうこれは……って感じでした。
サンプルでささらっぽさを感じたということは使い方によっては無印っぽい感じでAI版を運用することもできる……? いや、ちょっと抑揚を付けた段階でかなり違う声になってたしな~などと考えたりしてましたね。
実際発売されてみるとサンプル音声よりも自然な声で喋ってくれるみたいで、そこは嬉しい点でした。
一方でもう無印版とは別ソフトなのだと実感したので、それはそういう物だと割り切って見守っていくことにします。
ちなみにソング版はサンプル曲の制作者が声質を割といじっていた関係もあってか、サンプル版での期待値はそんなに高くありませんでした。
一方発売後に実際に使われた声を聴いてみると想像以上にさとうささらで、かつCeVIO AIとして人間らしい歌声を感じられたため嬉しい誤算でしたね。
使う機会無いですけど、ソング版欲しいなーって思っちゃいますもん。
発売から1週間くらいは20%オフで買えるので、正直少し迷っています……。
過去の経験から基本はセールしても10%オフなんですよね。いやまあ、どっちにせよ使うのはトークの方なんだからおとなしくトークを買えって話ではあるんですが……。
さすがに安い買い物ではないので(先週PS5も買ったし)見送ると思いますが、もうしばらくは悩み続けると思います。
それでは。